
永久歯列期の矯正治療
大人の歯並びになったお子さんの矯正治療について

01
永久歯列期の矯正治療について、基本的な流れの説明をいたします。
矯正治療の大まかな流れは
検査・診断→動的治療→保定治療
となっており、治療期間は数年にわたります。
02
矯正治療を検討する場合、どのような不正咬合があるのかをしっかりと確認する必要があります。
不正咬合について説明いたします。
03
矯正治療を行う場合、いろいろな種類の装置の中から術者が選択して使用していただきます。
永久歯列期の治療に用いられる矯正装置について、代表的なものを説明いたし ます。
04
矯正治療を行うにあたり、知っておいていただきたい点、注意しておかないといけない点があります。
それらについて説明いたします。
01 矯正治療の流れ
永久歯列期に行われる治療は、
最終的なかみ合わせを正常に整え、機能および審美性を回復させる治療(本格矯正)
が主となります。
歯を動かす治療を動的治療といいます。動的治療が終わったら矯正治療が終わりになるわけではなく、
その後歯並びを安定させる治療、保定治療が必要になります。
永久歯列期
動的治療
全体的に装置を装着し、歯ならび・かみ合わせを整えます。ブラケット装置が代表的な装置になります。
治療方針によってはブラケット装置の他にもいろいろな種類の装置を併用することがあります。
治療期間は2年程かかるのが一般的です。
保定治療
動的治療が終了したら歯ならびを安定させるための装置(リテーナー)を使用します。
02 不正咬合について
永久歯列の不正咬合は、歯の生え変わりがなく、あごの成長変化も少ないため、自然には解消されません。不正咬合に至る「歯並びや咬み合わせの変化」も、急激ではないために、長い間見過ごされることも多く身体への様々な影響が慢性的に進んでいる場合があります。





萌出障害
何かしらの要因で永久歯がうまく生えてこれない状態です。
原因の排除や、埋まっている歯を引っ張り出す治療(牽引処置)が必要となります。

歯の本数異常 過剰歯・先天欠如歯
余分な歯がある、あるべき歯がないなど歯の本数の異常が10%程度の方に生じます。
永久歯の歯並びを考慮しつつ、対応が必要な場合があります。
保険適用となる矯正治療
矯正治療は、一般的には保険適用外ですが、下記の場合に限り保険診療の対象となります。
① 「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正治療(6 歯以上の先天性部分無歯症を含む)
② 前歯、小臼歯の永久歯のうち 3 本以上の萌出不全に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
③ 顎変形症(手術を必要とするもの)の手術前・後の矯正歯科治療
03 矯正装置・治療方法
患者さんにあわせて様々な種類の装置から適したものを選択し、使用していきます。
下に挙げた装置・治療方法は一例です。
補助的矯正装置
治療方針によって使用を検討する可能性のある装置です。
他にも様々な矯正装置があり、適切なものを選択して使用することになります。


01
長期・定期的な通院の必要性
装置を使用し積極的に歯を動かす期間のほか、その後、歯並びの安定のため安定装置を使用する期間が必要です。
受験や大学進学での転居が控えている場合、治療を開始するタイミングはとても大切です。転居した場合、転院での治療継続の手続き等が必要になることがあります。
02
協力が必要
矯正治療を行うにはお子さんにも上手に協力してもらう必要があります。
着脱式の装置を使用する場合は、その使用時間が治療期間や仕上がりに影響します。
矯正装置は基本的に口腔内で使用するものなので、しゃべりにくいなどの違和感や見た目にストレスを感じる場合もあります。
また、矯正治療中は装置を使用することで口腔内に汚れが溜まりやすい環境になります。歯みがきがより大切になります。
03
矯正治療の限界
歯は自由に動かせるわけではなく、骨格の範囲内でしか動かすことができません。すべての人が同じ骨格を持っているわけではないので、その方によって歯を動かせる範囲も変わってきます。特に上下顎の前後的・左右的・垂直的なズレがある患者さんの場合、緊密な咬合や自然な口唇閉鎖を矯正治療単独で獲得することが難しいことがあります。その他にも歯の移動を妨げる解剖学的な要因(上顎洞・鼻口蓋管・石灰化物等)や 機能的な要因(舌癖・舌突出癖・難治性の鼻炎による口呼吸・ブラキシズム等)により制限が生じることがあります。また、患者さんのイメージしていた完成形、術者のイメージしていた完成形に差がある場合、患者さんは満足な結果は得られなくなります。担当医と十分に意思疎通できる関係を作ることが大切です。






